2011年春 白馬岳主稜登攀(5/2N〜5)

   主稜線
主稜三峰より主稜全容を望む
 期  日;2011年5月2日(月)〜5日(木)
 場  所;白馬岳(2932m)主稜
 メンバー;L.永野嗣宜、山口修 2名(敬称略)

 コースタイム
  5月2日; 横須賀21:00ー猿倉AM2:30着駐車場にて仮眠(泊)
  5月3日; 猿倉7:50〜白馬尻9:00〜主稜取り付き9:50〜六峰14:00幕営(泊)
  5月4日; 六峰6:00〜白馬岳頂上9:30〜白馬槍温泉14:30幕営(泊)
  5月5日; 白馬槍温泉5:30発〜猿倉8:00−白馬温泉9:00−横須賀15:00着

記録  山口 修 記

5月3日(晴)
  天気は最高の晴天。2日前に白馬雪渓で起きた雪崩遭難事故の為我々は早めに主稜末端から リッジに取り付く、 途中クレバスが口を大きく開けており震災の影響を確認できた。
  日も高くなり危険個所を休憩も取らずに先を急ぐ順調にピッチを稼ぎ六峰の頂上に着く、少し早目だが幕営を決める。
  先行パーテイー多いため平地の確保が難しく賢明の意思決定であったと思う。
  夜半より強風にあおられあわや天幕ごと白馬尻へ飛ばされるかと思うほどすざまじかった。ほとんど熟睡でき ずに朝を迎える。
    白馬岳
1.1 白馬尻からの白馬岳
    山口  
1.2 白馬尻にて山口
    八峰へ  
1.3 八峰への急登
    杓子尾根  
1.4 白馬大雪渓を挟んで杓子尾根が見える
    主稜を望む   
1.5 八峰の頭から主稜を望む
    七峰の急登
1.6 七峰の急登

5月4(晴)
  強風は相変わらずやまず高曇りの中主稜を存分に楽しみながらスノーリッジを忠実に 辿る。
  モンブランからエギュウドミデイへの雪稜を彷彿させる素晴らしいルートに日本屈指の好ルートであ ることがうなずける何もヨーロッパまで行かなくてもこの日本にまだまだ素晴らしい山は沢山あることを 改めて痛感させられる。
  頂上直下の氷壁を永野がトップで絶妙のバランスで登っていく若手の成長に頼もしさを感じ、 同時に人間の可能性にただただ驚くばかりだ。
  あれが鹿島槍で足がつった永野とは思えないほどしっかりとした登高であった。きっと人知れずこの日の為にトレーニングを積んできたのだろうと思うととても嬉しさがこみあげてきた。
  頂上で固い握手を交わし我々が辿った主稜を振り返ると何とも言えない満足感に昔三島さんと挑戦し 敗退した雪辱を晴らせた喜びがこみあげてきました。
  頂上へ出ると強風は一層強くなり杓子への縦走は強風との戦いに終始しました。
  この日はパーテイにほとんど会うことなく静かな山歩きが楽しめました。
  白馬槍の登りでは強風で前に進むこともできず這いつくばって匍匐(ホフク)前進のように歩きました。
  槍温泉に下る為に稜線から東へ少し下ると風はぴたっと止み太陽が降り注ぐ春山を満喫することができました。
槍温泉は我々の貸切で誰も来ておらず我々が天幕を張っていると2人パーテーがやってきて4人で露天風呂を 心行くまで楽しみました。
    山口  
2.1 五峰に上る山口    
    六、七、八峰  
2.2 五峰から六、七、八峰を俯瞰する 
    山口  
2.3 五峰にて四峰のピークをバックに山口  
    永野  
2.4 五峰にて四峰のピークをバックに永野 
    頂上直下の雪壁   
2.5 頂上直下の雪壁を登る先行パーティ    
    頂上直下の雪壁   
2.6 頂上直下の雪壁を登る先行パーティ  
    山口   
2.7 頂上へ出た山口     
    露天風呂   
2.8 白馬鑓温泉の露天風呂    

    白馬岳頂上   
2.9 白馬岳頂上にて、左から山口、永野

  5月5日(晴)
  快晴の中、白馬鑓温泉を5:30出発、小日向のコルで一本とって猿倉までグリセード下 りました。
 猿倉で白馬主稜で逝った高校の先輩の墓参りをして自分の心にある重荷が少し軽くなりました。
 猿倉から車で帰途につき途中、白馬温泉に寄りました。白馬三山が俯瞰できる最高の露天風呂でした。 桜もこぶしもとても綺麗に咲き誇っていました。

 今回の春山は天候にも恵まれ素晴らしい山行ができたことを感謝いたします。
 反省点は天幕の設営の際は面倒でも少し掘り下げブロックで雪壁を作り防風対策を行うべきであると痛感いたしました。
 備えあれば憂いなし 事前に危険を回避するには「汗を流して血を流すな」労を惜しんではいけないと言う事を強く感じまし た。

 また、35年前の白馬主稜と何ら変わることのない山がそこにありました。どんなに装備が 良くなり科学が進歩しようとも山は普遍的な厳しさを私達に語り続けていることを今も思い知ることができる山行でした。
 変わってしまったのは高慢な人間の心だけでしょう。私達に必要なものは謙虚な山への畏敬の念と強い意志 と愛情だけが求められていると実感いたしました。世俗にまみれていつのまにか見えるものを見えなくしている昨今我々 に今一度原点に戻って山を見つめ直す良い機会となりました。
  
      
3.1 白馬鑓温泉からの朝焼け 
       
3.2 露天風呂まえテント場で出発準備の山口
     
3.3 小日向のコルの手前にて永野、バックは白馬鑓北稜
      
3.4 小日向のコルの手前にて山口  
     
小日向のコルの手前からの白馬鑓東南稜 
      
小日向のコルの手前から八方尾根(右側)   

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